等身大で進めるISO、実はこれが最も効率的!

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ISO認証を取得することは、組織にとって多くの利点をもたらしますが、その意義を正しく理解することが重要です。以下では、身の丈に合ったISOシステムを構築することの重要性とその理由を解説します。

ISO認証取得の意義

ISO認証を取得することで、以下の点が対外的に証明されます。

  1. 最低限の品質維持の仕組みがあること
    • ISO規格に基づいた仕組みが整備されていることにより、組織が一定レベルの品質管理を行える状態にあるとみなされます。
  2. PDCAによる改善の可能性がある組織であること
    • ISO規格では、計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)、改善(Act)のサイクルを回すことが求められており、この仕組みによって継続的な改善が期待されます。

ただし、これらは組織が”現在素晴らしい品質状態にある”という証明ではありません。ISO認証は、あくまで品質向上の基盤が整っていることを示すものです。

身の丈に合ったISOシステムの重要性

ISO認証を取得する際、最初から素晴らしい品質の成熟度を目指す必要はありません。むしろ、以下の理由から、身の丈に合ったシステムを構築することを推奨します。

  • 最低限のレベルからスタートできる
    • 最初は最低限の品質維持の仕組みを目指し、毎年のPDCAサイクルによって徐々に品質を向上させていくことが可能です。ISO自体がこのプロセスを想定して設計されています。
  • 無駄のないシステムを構築できる
    • 身の丈に合ったISOシステムを作ることで、自社の実情に合った柔軟かつ効率的な運用が可能になります。過度なルールや帳票を避けることで、現場の負担を軽減することができます。
  • 時間とコストの面でも有効
    • 最初から高い成熟度を目指すには、多くの時間とコストが必要です。段階的に改善するアプローチを取ることで、リソースを有効活用できます。

適切なISO活用のために

ISO認証は、組織の品質管理能力を対外的に示す有効なツールである一方、その運用方法を誤ると形骸化するリスクがあります。最初は無理のない範囲でISOシステムを構築し、企業の成長に合わせて成熟させていくことが成功の鍵です。

ISO認証を単なる「取得するだけのもの」とするのではなく、企業の品質向上や競争力強化に資するものとして活用することを目指しましょう。

この記事を書いた人Wrote this article

森田 康之

森田 康之

ISO9001の審査員として活動中。中小企業診断士、ISO14001の審査員補の資格を保有。企業にフィットしたISOシステム「みのたけISO」を構築するため支援を提供する。

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