業務フロー作成が変える!意義と課題、解決へのヒント
企業活動において、業務フローの作成は重要な役割を果たします。……
ISOの認証を取得した組織では、「不適合」と呼ばれるトラブルが発生した場合、原因を突き止め、再発防止策を検討します。この際によく使われる手法の一つに「なぜなぜ分析」があります。今回は、よくある効果の薄い分析にならないための進め方について解説します。
なぜなぜ分析とは、問題の表面的な原因ではなく、根本原因を特定するための手法です。問題が発生した際に「なぜ?」を繰り返し問い、真因にたどり着くことで、再発防止策を適切に講じることができます。
多くの組織では、トラブルが発生した部門の関係者数名が集まり、考えられる原因を列挙し、その背景を深掘りする形で進めます。このプロセスを適切に行うことで、「対処療法的な解決策」ではなく、「同じ問題が二度と起こらない仕組み」を作ることが可能になります。
一般的に、「なぜ?」を5回以上繰り返すことで、表面的な原因ではなく、より根本的な課題にたどり着けると言われています。ただし、単に回数を重ねるだけでは効果が薄く、適切な問いの設定が重要です。
また、なぜなぜ分析は個人の責任追及ではなく、組織の仕組みやプロセスの問題を明らかにすることが目的です。そのため、関係者が安心して意見を出せる雰囲気を作ることが成功の鍵と言われています。
なぜなぜ分析をする際、「言い訳を原因にしてはいけない」と言われることがあります。これは、言い訳を表面的な要因と捉え、根本的な課題にたどり着けなくなるという理由から、それを議論から除外する考え方です。
言い訳っぽいなぜなぜの例:
しかし、ここでの「検査時間が足りなかった」というのは単なる言い訳ではなく、業務の進め方や経営判断に問題がある可能性を示唆しています。これを議論から除外すると、表面的な対策しか取れず、同じ問題が繰り返されるリスクが高まります。
「なぜそれを実行しても大丈夫だと考えたのか?」を追加で問うことで、根本の問題が見えることがあります。
例:
例えば、関係者に「なぜその対応で問題ないと判断したのか?」と尋ねると、「過去に大きな問題がなかったから」「上司がそれで良いと言ったから」といった回答が得られることがあります。これは、単なる個人のミスではなく、組織の文化や意思決定の仕組みに問題がある可能性を示しています。この視点を加えることで、経営層が現場の判断基準を見直す機会を作ることができます。
なぜなぜ分析は、表面的な原因に気を取られずに、根本原因まで突き止めることが大切です。そのために、以下の2つのポイントを意識してみましょう。
この2つのポイントを押さえることで、単なる対処療法ではなく、組織全体の仕組み改善につながる効果的ななぜなぜ分析が可能になります。ちょっとした工夫ですが、もし良ければ活用していただけますと幸いです。